鶴見川流域を洪水から守る恩廻公園調整池
10月の台風19号で広域に浸水被害が発生した多摩川と異なり鶴見川では浸水はありませんでした。もちろん上流部に降った雨の量も中小河川から流れ込む量も違いますが、洪水対策として流域に複数の調節池や遊水池が建設されていることが大きいのではないかと気付き、このうちの一つである川崎市麻生区と横浜市青葉区の区境にある県の治水施設恩廻公園調節池を見学しました。町田市に源流がある鶴見川は、開発とともに土地の保水能力が下がり降った雨がそのまま川に流れ込むようになり、洪水による流域の浸水が度々起きていました。このため洪水対策として流域には複数の施設が建設されてきました。鶴見川の水位があがると調節池では越流水を敷地内にある貯留管に流します。管は内径11.4〜16.5m長さ600mのトンネル構造で最大11万㎥を貯めることが出来ます。
2008年8月の豪雨では33000㎥を一時的に貯留し鶴見川の水位が下がってから放流し、浸水に備えました。台風19号では新横浜にある遊水池を使用したとのことでしたが、川幅いっぱいまで増水しても調節池に流し込むことで水位が下がりますから複数の貯流施設は大きな安心につながります。
費用は163億と大きな事業となりますが。100年に一度の降雨が毎年発生するのではといわれる現在、こうした施設の建設も必要であり、更に調査を進め制度提案していきます。