宮前サロン「安心して子どもを産みたい」報告

教科書どおりの正常分娩でないと、助産所では子どもを産めない?

「助産院でのお産」を考える
9月10日の宮前サロンは有馬助産院に出向きました。ここでお産をした方を含め8人の参加で、五十嵐助産師を囲んで、和やかな中にも活発な意見交換がなされました。
緊急時の病院搬送に嘱託医の定期検診が必須のため、37週まで嘱託医、それ以降が助産院という流れになり、対話による周産期の精神的安定と、家庭的な雰囲気での自発的お産という助産院の魅力が発揮されない現状に驚きました。
医師不足の現状を踏まえ、正常分娩は助産院で、心配のあるお産は病院で、緊急時には集中ケアのできる総合病院で地域のお産がすべてカバーできる体制づくりが望まれます。助産師育成や助産院への助成、医師の総合病院への集中など、様々な課題が見えてきました。(筈見ゆう子)

 医療法改正によって、正常な妊娠経過をたどっていても助産院で検診を受け、お産をすることが簡単ではなくなってきていることが、皆さんのお話から分かりました。

医療法では、例えば助産所に関しては以下の改正がされています。
旧19条
助産所の開設者は、厚生労働省令で定めるところにより、嘱託する医師及び病院又は診療所を定めておかなければならない。
新19条
助産所の開設者は、嘱託医師を定めて置かなければならない。

 この結果、もう少し様子を見ましょうかという状況などなく、教科書どおりにお産が進行しなければ助産所では産めないのが現実です。嘱託医・嘱託医療機関の問題は助産所の開設に大きな影響を及ぼしています。
 一方産科医の不足は深刻で、産婦人科を標榜していてもお産を受け付けていない診療所も地域には増えています。医師不足の解消と同時に、正常分娩を取り扱うまちの中の助産所をあらためて見直し、利用しやすい体制をつくる事も求められています。

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