ともに生きる社会の実現を求めて

ヘイトスピーチは東京都新宿区新大久保周辺から始まり、川崎駅前、そして在日韓国・朝鮮籍の人々が暮らす川崎区桜本地区へと波及していきます。それは特定の個人や家族への攻撃となり、その対策が急がれました。

川崎市内でも平和公園などを起点としたヘイトデモが開催されようとする中、阻止しようとする市民団体との衝突、防ごうとする警察(機動隊)が入り乱れるなか、共に生きようと声掛けが続いてきました。警察はデモ主催者に中止を要請するが、ヘイトスピーチに関しては対応しないことも分かりました。

2016年7月市は、当事者や市民団体からの要請もあり、川崎市人権施策推進協議会での優先討議事項として諮問し、協議会もこれを受けて2016年12月にヘイトスピーチ対策に関する提言をまとめ、さらに具体的な審議を重ねて2018年3月には答申が出されました。そして、市民団体からも条例が必要と提言されており、議会もこれに応えようと討議を繰り返してきた経過があります。

ヘイトに関する人権条例はこれまで大阪市、東京都、世田谷区、国立市で作成されて来ましたが、表現の自由への制限から罰則は設けられていませんが、今回提案された川崎市の特徴は、罰則規定を盛り込んだものです。罰則ありきではありませんが、現状の被害を考えると、罰則も必要だとネットとしても考えています。

2019年12月議会に「差別のない人権尊重のまちづくり条例」案が提案されました。一刻も早く、条例を制定し、多くの市民にヘイトの状況を知らせ、ヘイトを無くすための世論もつくり出さなければなりません。

神奈川ネットは、地域で誰もが安心して生活できる、ともに生きる社会の実現のためにも今回の条例案に賛同し、これからも共にヘイトのない川崎をめざしていきます。