制度をいかし最期まで自分らしく生きる

川崎3ユニット共育フォーラムが2月12日オンラインで開催されました。高津センター会場とオンラインとで120人を超す参加がありました。講師は社会学者の上野千鶴子さんです。冒頭上野さんからはこの団体はどういう人たちが集まっているのですか?画面からは髪の白い方もちらほら見えますがとあり、主催者から生活クラブやワーカーズコレクティブで活動しているメンバーが集っています。今日は地域で活動を立ち上げたパイオニアの方も参加していますと説明がありました。

上野さんからは、ワーカーズも高齢化しているのではないか、女性は半分が90才以上まで生きる。夫婦世帯というのはおひとり様の予備軍である。以前はおひとりさまが悪いことのように言われたが独居高齢者への偏見がなくなった。高齢社会をよくする会の樋口恵子さんによるとそれは「楽だからよ」とのこと。エビデンスもある500人に聞いたところふたり暮らしが満足度は一番低いということです。

次に最後まで自分らしく生きるということでは、おひとりさまは今や怖くない、在宅ひとり死も怖くないがそのためにはサービスが必要であるといいました。全身障害者が地域で暮らしている事例があるが、365日の3食の食事は欠かせない。定期巡回訪問介護看護のようなサービスも不可欠であり、移動サービスや成年後見制度も必要である。あとは訪問医療が整えば地域で暮らし続け、看取りまでできるといいます。高齢者は、今住んでいる家に暮らし続けたいと言うのが悲願である。なぜ、高齢者が一ヵ所にまとまって暮らさなくてはいけないのか納得できませんともいいます。

地域で暮らすのに不可欠なのが介護保険制度です。上野さんからは、多くの反発を受けて今回の改定から消えましたが、要介護1、2の軽度者外しやケアプランの有料化、利用抑制は厚生労働省も財務省も必ず出してきます。その先にはケアの社会化を踏み外した家族介護、保険の商品化をして介護保険との混合利用、応能負担と続きます。人手不足解消に向けて厚生労働省は通達で無資格ヘルパーを採用していいとしました。女なら誰でもできる非熟練労働と考えているからに他なりません。こんなになってしまった制度を使いやすく変えるには政権を変えるしかない、皆さんは代理人という運動を生かして地域で活動してほしいと結びました。

後半の政府のご都合主義の話には怒りを覚えました。改めて介護の社会化をめざした介護保険を振り返り、その20年の成果を生かして住み慣れた地域で安心して暮らしていくために活動を続けます。