海から見る横浜ノースドッグ

灰色の船が音響測定艦

神奈川ネットワーク運動主催の「海から見る横浜ノースドッグツアー」に参加しました。「ノースドッグ」は横浜市神奈川区の瑞穂埠頭にあるアメリカ軍の輸送拠点です。今回は、ピア象の鼻から横浜港周遊船に乗り、基地を監視しているリムピース編集部の星野潔さんに解説していただきました。ノースドッグは今年2月から揚陸艇部隊「第5輸送中隊」の運用が始まりました。13隻、280人の部隊で新編に伴う船舶の増加はなく、すでに配置済みの船舶を使用するとし、要員は今年度中に配置していく予定です。

戦後まもなく米軍に接収されたノースドッグは、返還約束が反故にされ、今回の常設の部隊の設置で実践的な運用へと移行する可能性が高くなることが懸念されます。星野さんは台湾や尖閣諸島の有事を念頭に、部隊を出撃させる拠点になると指摘されました。

ノースドッグはベイブリッジをくぐり、そのまままっすぐに接岸できる、港内でも絶好の位置にあります。横浜港の真ん中、船からはすぐそばにマンションや、臨港パーク、大さん橋、赤レンガ倉庫、ハンマーヘッドが見えました。こんなに市民が多く集う観光地の近くにあることに衝撃を受けました。埠頭には、揚陸艇や音響測定艦が停泊していました。今回は見られませんでしたが、米軍ヘリの訓練や発着場所になり、横田基地へオスプレイを搬出入する時の拠点にもなり、埠頭上を飛び交うそうです。

横浜港にノースドッグがあるということは、ここが戦争の攻撃拠点になりうるということです。基地を抱える神奈川の市民として、足元で進む軍事化に不安を覚え、この状況を多くの人に知ってもらい、平和について考えてほしいと感じました。